岩﨑です。
今日は卒業式が挙行されました。卒業式の祝辞を全文掲載いたします。
校長祝辞
おはようございます。
祝辞を述べる前に、保護者の皆様に、本学園の理事長をご紹介いたします。理事長大野弘機先生でございます。大野先生は、北海道医療大学名誉教授であられ、本校では三五年以上、歯科材料学の非常勤講師をお願いしています。三年前より一般財団法人 志星学園の理事長に就任していただき、ご指導、ご尽力を頂いております。
さて、第四十四回本科卒業生の皆さん、第三十九回研究科修了生の皆さん、ご卒業並びに修了、誠におめでとうございます。また、保護者の皆様、お子様のご卒業、重ねてお祝い申し上げます。
まずもって、新型コロナウイルスまん延防止等重点措置のため、卒業式を簡素化して挙行することをお許しください。また、例年ご臨席を頂き、ご祝辞を頂戴しておりましたご来賓の皆様にも、ご出席を見合わせていただきました。こちらも誠に残念でございます。また、我校を主管する厚生労働省の通知に従いますと、三月十二日までは室内でのマスク着用を求めており、今しばらくマスクの着用をお願いいたします。
さて、この未曽有のコロナ禍が発生して丸三年以上経過しました。今年の卒業生は、感染予防のため旅行を伴う学校行事が中止となり、貴重な体験、経験の場を奪ってしまいました。大切な学生時代がコロナ禍と重り様々な制約がありましたが、先々週の日曜日に令和四年度歯科技工士国家試験を無事受験させることができました。受験後の皆様の自己採点結果を拝見すると、間違いなく全員合格していると確信しております。まずは、2年間、本当にお疲れさまでした。
これからは国家資格を持った歯科技工士として、その資格を大切にし、さらに勉強を重ねて一人前の立派な歯科技工士になり、社会に貢献して下さい。今、皆様はその第1歩をヨチヨチと歩み始めたところです。いわば卵から孵化したばかりの歯科技工士の「ひよこ」です。立派に成長して大きな卵を産む歯科技工士になってください。
特に昨今の斯界はパソコンを用いたCAD/CAM技術や3Dプリンター技術、口腔内スキャナー(IOS)などの新技術の進歩発展は著しく、急激な技術革新とパラダイムシフトが起こっています。卒業生の皆様は、これらの技術革新に迅速に、さらに的確に対応することを求められますので、より一層の研鑽を積んで下さい。
続きまして、研究科修了生の皆さん、免許取得後、さらに一年間の学習、本当に疲れさまでした。コロナ禍のため、例年実施していた台湾での研修旅行も中止となり、残念な思いをなされたことと思います。しかし、先日行われた卒業研究発表会は大変有意義な内容でした。研究科設置の目的である科学的思考力を持った歯科技工士の養成が確実に行われていると感じました。しかし、研究科で一番役立つ実習は、毎日三十分で1本彫った歯形彫刻です。失われた歯や口腔の機能や審美を回復する人工臓器を、歯科医学の教えに従って作るのが歯科技工士の仕事ならば、瞬時に失われた歯をイメージして復元できる能力が求められます。その基本は、歯牙を立体的に素早く再現できる能力です。この能力を養う最も効果的な訓練が歯形彫刻なのです。さらにその上に科学的思考力を持ったなら、歯科技工士として、将来成功するために必要な条件を十二分に兼ね備えていると考えます。更なる「何故の追求」を継続してお願いいたします。
最後に現役でバリバリ活躍している歯科技工士村田彰弘氏が書かれた書籍から引用させていただきます。
「お金やモノは使えば使うほど減っていくし、どんどん古くなってさび付きます。しかし、一度自分の腕に宿った「技術」は、そう簡単に自分のもとから去ることはありません。使えば使うほど研ぎ澄まされ、洗練していきます。」と述べています。全く同感です。私にはこんな技術があるとか、私はこれが得意よと人に自慢できるものを早く獲得してください。それが仕事を続けるモチベーションに繋がります。そして患者様の健康増進に大いに貢献してください。皆さんの更なる生涯にわたる研鑽を心から期待いたします。
結びに、保護者の皆様、2年間又は3年間のご支援、ご協力、誠にありがとうございました。衷心より御礼申し上げます。本校は、引き続き歯科医療に寄与する歯科技工士を養成してまいりますので、今後とも変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げます。
以上、簡単措辞ですが校長のお祝いの言葉とさせていただきます。ご卒業、誠におめでとうございました。 礼
令和五年三月三日
校長 岩﨑佳治
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